歯周病は万病のもと

歯周病とは

歯周病は大病の元

あなたはこんな病気を抱えていませんか。
● 狭心症、心筋梗塞
● 脳梗塞
● 糖尿病
● 骨粗鬆症
● アルツハイマー型認知症
● 関節リウマチ
● メタボリックシンドローム
一つでも当てはまるなら、歯周病治療を受けましょう。
歯周病は進行すると歯を失うだけでなく、全身疾患と深くかかわりがあるため、様々な病気を悪化させる要因となります。歯周病予防を行うことで、生涯元気に過ごすことができる、とても大切な治療なのです。

歯周病の症状

これらの症状がある場合は、歯周病の可能性があります。
● 歯がグラグラする
● 歯磨き中に出血する
● 歯ぐきから膿がでる
● 歯ぐきが腫れた
● お口がネバつく
● 歯に違和感がある
● 口臭が強くなった
● 歯が長くなった
● 食べ物が詰まりやすい
● 歯と歯の間に隙間ができた

歯周病は歯を失う原因第1位

2018年に厚生労働省がとった統計によると、歯を失う原因の第一位は「歯周病」で全体の37%を占めていました。ついで「むし歯」が29%と、およそ2/3の歯がこれら2大原因で失われているのです。しかし、歯周病もむし歯も予防をきちんと行っていれば抜歯になるほど重度にはなりません。日頃のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアを行いましょう。

歯周病の進行

健康な状態
歯と歯茎の境には1-2mmの隙間があります。ブラッシングをしても歯ぐきからの出血がなく、歯ぐきの色はピンク色です。

歯肉炎
歯と歯茎の境は2-3mmほどの隙間になり、プラークがたまることで歯茎に炎症が生じた状態です。歯茎が多少腫れ、出血が生じます。

軽度歯周病
歯と歯茎の境は3-4mmほどの隙間になり、歯茎の中で歯石がたまり、歯茎や骨の組織が破壊され始めた状態です。

中等度歯周病
歯と歯茎の境は4-5mmほどの隙間になり、歯茎の中の歯石が広範囲に広がった状態です。歯を支える骨が少なくなるため、歯が揺れ始めます。また、出血だけでなく歯茎から膿が出ます。

重度歯周病
歯と歯茎の境は6mm以上の隙間になり、歯茎の中の歯石が根の全周にわたり広がった状態です。歯をさせる骨がさらになくなるため、歯がぐらつき、歯の位置が動いてしまい、かみ合わせも変化してきます。歯茎の腫れだけでなく痛みも伴います。

歯周病の治療

1.歯周病の検査

「歯周検査(歯と歯茎の境の深さの測定)」
「動揺度検査」
「出血部位の検査」
「レントゲン検査」
「口腔内写真撮影」を行います。
どの歯のどの部位が歯周病が進行しているのか、ブラッシングができているか、骨の吸収具合の確認を行います。

2.スケーリング、ブラッシング指導

まずは表層の歯石を除去します。主に超音波スケーラーを用いて治療を行います。歯肉炎や軽度歯周病であれば、炎症を取り除くことができます。
また、自宅でのセルフケアをきちんと行えるよう、ブラッシング指導を行います。ブラッシングがきちんと行えることで、治療の効果が発揮されます。

2.再度歯周検査

スケーリングをして炎症が収まったかどうか、再度歯周検査を行い把握していきます。
炎症があればSRPへ。問題が無ければ治療は終わり、ご自宅でのセルフケアを継続していきます。

3.スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

歯茎の中に沈着している歯石を除去していきます。超音波スケーラーと、手用のスケーラーを用いて歯茎の中から歯石を機械的に除去します。

4.再度歯周検査

SRP後に再度歯周検査を行い、炎症の有無を診断します。
問題ない場合は定期的なスケーリングを継続して行うメインテナンスへと移行します。炎症が強く残っている場合は、歯周外科を行います。


5.歯周外科

歯茎を切開し、歯の根と骨を直接観察し、歯石や炎症のある歯茎を除去する小手術を行います。場合によっては骨を再生させる再生療法を応用します。

6.再度歯周検査

歯周外科の治癒を確認するために再度歯周検査を行います。
その後はメインテナンスへ移行し、継続的な歯周管理をおなっていきます。

7.メインテナンス

歯周治療が終了したのちに、軽度に歯周炎は残っているが安定している場合に、1-3ヶ月に一度全体のメインテナンスを行います。毎度口腔内写真の撮影と歯周検査を行い、歯茎の状態の変化を把握し、スケーリングとブラッシング指導を行います。

歯周病は予防が一番

予防こそが歯周病を進行させない一番の治療法

歯周病は痛みがなくいつの間にか進行してしまう、「沈黙の病気」です。気づいた時から治療を行うと、かなり進行した状態からの治療となり、完治が難しくなります。しかし、きちんと定期的な検査とケアを行っていくことで予防できる病気です。
将来の健康寿命の為には健康な歯が残っていることが大きく関与します。何も症状が無くても、何か症状を感じたらすぐに、歯周病治療を受けましょう。そして、定期的にメインテナンスを行っていきましょう。