歯周内科治療

薬を用いた歯周病の短期集中治療

何度も繰り返す歯周病を根本から治しましょう

歯周病原細菌を根絶します

細菌検査、PCR検査による歯周病原細菌の同定

位相差顕微鏡を用いて細菌の活動性の確認、PCR検査により細菌数の確認を行い、効果的なお薬の処方を行います

薬により病原性の鎮静 2週間の徹底治療

効果的なお薬を処方することで、細菌を弱らせ、効果がある2週間以内に5回ほど来院していただき、お口全体から徹底的に歯周病原細菌を除去していきます。

再発しにくいお口へ

お口全体から歯周病原細菌を排除するので、磨き残しがあっても歯周病が再発しにくいお口へ改善されます。

歯周内科治療とは

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯肉や歯を支える骨が溶けてしまう病気です。
プラークや歯石に存在する歯周病原細菌が増殖、感染することで、歯周病が蔓延し、何度歯石を除去してもお口の中の別の歯に潜んでいた菌が再度感染、増殖するため、歯周病は繰り返し生じてしまっていました。

この原因である歯周病原細菌に着目し、病原菌を徹底的に除去することを目的とした、新しい治療法が歯周内科治療です。
位相差顕微鏡、PCR検査により歯周病原細菌の特定を行い、判別した菌に特に効果のある抗生剤を服薬し、薬の作用が効いている2週間以内に徹底的にプラークや歯石を除去することで、お口の歯周病原細菌を排除します。これにより、歯周病が再発しにくいお口へ改善することができます。

位相差顕微鏡でわかること

位相差顕微鏡で歯周ポケットのプラークを観察することで、細菌の形態、運動性、量を把握することができます。これにより、歯周病の重症度をある程度判別することができます。
実際に顕微鏡で見られる細菌を動画で見てみましょう。

治療前の非常に悪い菌叢

治療後の正常な菌叢

明らかな違いがわかると思います。歯周病が悪い状態では、いくら歯石をとっても、この細菌が周囲から再び感染してくるため、なかなか改善しません。
そのため、抗生剤を服薬し、細菌の活動性を抑え込んでいるうちに、お口全体から一気に汚れを取りきる必要があります。

また、歯周内科治療後に正常な細菌叢を獲得したお口では、細菌の活動性が低いため、多少磨き残しがあっても良好な状態を維持しやすくなります。

PCR検査でわかること

歯周病が深く、炎症が生じている歯周ポケット内の体液を採取し、PCR検査をすることで、歯周病原細菌がどのくらい存在するのかを数値化することができます。
歯周病の3大病原菌である、P.g菌、T.d菌、T.f菌(まとめてRedComlpexと呼びます)、その他代表的なA.a菌、F.n菌の5菌種を主に検出しています。
これらの菌に対して効果的なお薬を処方することで、病原性や活動性を抑え、治療の効果が出やすくなります。また、細菌が血管内へ侵入し、全身をめぐる菌血症の予防にもなります。
実際の治療前後のPCR検査結果をご覧ください。

治療前

治療後

このように、明らかにお口の歯周病原細菌数が減り、再発のリスクがないことがわかります。そのため、多少磨き残しがあっても健康な状態を維持することができるのです。

歯周内科治療の効果

歯周内科治療後(治療途中から)は、歯周病原細菌が排除されるため、様々な効果が現れます。

  • 歯茎の腫れがなくなり、出血がなくなる
  • 口の中の粘着きがなくなり、さっぱりする
  • 口臭が改善する
  • 歯のぐらつきが収まる

 

治療後のメインテナンスと気を付けること

歯周内科治療が終わった後は、必ずメインテナンスを行っていきましょう。
せっかくリセットされたお口を健康な状態のまま維持するためには、定期的なチェックと専門的なクリーニングを行っていくことが大切です。
3か月ごとの定期的なメインテナンスをおすすめしています。

また、歯周病原細菌に再度感染しないように気を付けていきましょう。一番身近な感染源は家族やペットです。
そのため家族も歯周内科治療を受ける、もしくは家族から唾液の感染が生じないように食事や飲料の取り方を気を付ける必要があります。

気になる方は、顕微鏡検査、PCR検査だけでも行えます

位相差顕微鏡による細菌検査は、いつでも無料で行うことが可能です。
PCR検査については、検査施設に検体を送る関係上費用がかかりますが、どなたでも検査することが可能です。
ご自身の歯周病のリスクを把握するためにも、ぜひ検査することをおすすめします。