最新のEr:YAGレーザー・ライトタッチレーザー
歯科レーザーは半導体レーザー、ネオジウムヤグレーザー、YSGGレーザー、炭酸ガスレーザー、そしてエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーなど多くの種類がありますが、歯科治療に一番安全なレーザーとして挙げられるのはエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーと言われています。
その中でもエルビウムヤグ(Er :YAG) レーザーは、通常、赤外光である2940 nmの波長の光を放射します。その波長は、水分へのレーザー熱の吸収が最も高く、神経や組織侵害が少なく、場合によって無痛的な治療が可能になりました。
このエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーは、一般的に虫歯を安全に除去するのに効果的であり、局所麻酔なしで行うことが可能です。歯科用ドリルでは切削の振動により歯に微小亀裂(ひび割れ)を引き起こすリスクがありましたが、このレーザーでは振動がないためひび割れが生じず虫歯菌の2次感染も無くなります。低出力設定で使用するとレーザーエネルギーは神経に鎮静効果をもたらすため、歯に痛みを感じさせることなく虫歯を除去できるのです。
そして、最新のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザー・ライトタッチレーザーは、ハンドピースに連結されたわずか10cm程度の超小型のレーザー発振器からエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーを患部にダイレクト照射することができます。従来のエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーでは多少熱の侵襲が残るので使用上の注意が必要でしたが、ライトタッチレーザーでは減衰や位相の変化のないエルビウムレーザーのため、水を併用により熱の侵襲が全くなく、虫歯除去殺菌、歯肉切開スピードの向上や罹患組織の常温殺菌などが可能になりました。インプラントのような金属にも影響なく使えるという理論的にもっとも理想的なレーザーなのです。